「転職したいけど失敗したらどうしよう…」転職が不安!怖い!

はじめに

転職する際、なにかを不安に思ったり怖いと感じたりすることはないでしょうか。意外にもさまざまな理由により、転職前や内定が決まったあとなどに、不安や怖いという感情をもつ人は一定数いるようです。転職前や内定後に感じやすい、怖さや不安の解消法をそれぞれご紹介します。

アンケート(1)「転職」するときに不安を感じたことはありますか?

「転職活動(活動開始~転職先内定後から入社まで)で不安を感じたことはありますか?」というアンケートでは、不安があった人は67.6%でした。約3分の2以上の人が何かしら不安を抱えていることがわかります。
また不安を感じた人の中で、「転職活動中」に不安に感じたという人は84.7%、「内定後、入社前」に不安を感じたという人は45.0%でした。
では、実際「転職活動中」と「内定後、入社前まで」に、転職者たちはどんな不安を抱えていたのでしょうか。

アンケート(2)転職活動中に最も不安に感じたことは何ですか?

  • 希望する条件(勤務条件、年収など)で転職できるか…32.3%
  • 自身の経験やスキルが通用するか…16.5%
  • この年齢で転職してよいか…15.2%
  • 面接が通るか…13.3%
  • 転職活動が長引かないか…12.0%
  • 仕事をしながら転職活動できるか…3.2%
  • (在職中の場合)今の会社をスムーズに辞められるか…2.5%
  • 転職活動でどのくらいお金がかかるか…1.6%
  • どうやって求人を探せばよいか…1.6%
  • 書類が通るか…0.9%
  • その他…0.9%

32%の人が「希望する条件(勤務条件、年収など)で転職できるか」と不安に感じていて、第1位。次いで、「自分自身のスキルが通用するか」16%と続きました。自分の希望と企業とのミスマッチにつながることに、最も不安を感じている人が多いようです。

アンケート(3)転職先内定後、入社直前に最も不安に感じたことは何ですか?

  • 新しい人間関係や社風に馴染めるか…46.4%
  • 入社前に希望した条件(勤務条件、年収など)通りに働けるか…14.9%
  • 想定していた職場環境とギャップが生じないか…14.9%
  • 自身の経験やスキルが通用するか…11.3%
  • (在職中の場合)今の会社をスムーズに辞められるか…6.0%
  • 入社前にどんな準備をしておけばよいか…3.0%
  • ほかにもっと条件にあった会社があったのではないか…2.4%
  • その他…1.2%

「転職先内定後、入社直前 」に最も不安に感じたことのアンケートも採りました。第1位は、「新しい人間関係や社風に馴染めるか」で46.4%。人間関係や社風は、採用選考を通じてわかることが限られているからか、不安に感じる人が圧倒的に多いようです。次いで、「入社前に希望した条件(勤務条件、年収など)通りに働けるか」(14.9%)、「自身の経験やスキルが通用するか」(11.3%)と続きます。

転職が不安・怖いと感じるのはなぜ?

転職活動前

転職する前に感じる不安や怖いという感情につながる内容には、どのようなものがあるのでしょうか。

  • 今の仕事と転職活動を両立できるか
  • いい就職/転職先を見つけられるか
  • 自分のキャリアや強みを評価してもらえるか
  • 転職活動が長引き内定がもらえるのか

これら4つを例にあげ考えていきましょう。

今の仕事と転職活動を両立できるか

想像し難いことに対し、不安や怖さを感じることは仕方のないことです。ましてや転職活動の経験が少ない人は、現在の仕事をしながらの転職活動が、どれほど大変なものかは想像できないかもしれません。

学生時代のように就職活動だけに専念できるわけではなく、与えられた仕事をこなしつつの就職活動となります。面接にもなれば会社を早退したり休んだりしなければならなくなり、周りの目が気になるかもしれません。

一番懸念されることは、両立するための時間の確保だと思われます。問題解決には時間のやりくりが重要になっていくでしょう。

いい就職/転職先を見つけられるか

転職を決意したあとに抱えやすい不安には、いい就職先・転職先に出会えるかどうかという点です。時間をやりくりし、現在の仕事となんとか両立させながら転職活動をできたとしても、その労力に見合う満足できる転職先が見つかるかどうかの保証はどこにもありません。

新しいことへ一歩踏み出すときは就職活動以外でも不安や怖さはついて回ります。どれだけ情報収集しても、実際に働きだしてみないとわからないことが多すぎるからでしょう。

自分のキャリアや強みを評価してもらえるか

自分の持っているスキルや資格を生かしたいと考えて転職活動をしていても、どこかで自信が持てない瞬間も出てくるかもしれません。また強みとして生かすはずが、適切に評価されないのではと不安になることもあるでしょう。

未経験の職種に挑戦するときも同じかもしれませんが、どれだけキャリアを持っていて経験を積んでいても、転職後は1からのスタートになります。しかしここまでの経験やキャリアは決してムダにはなりませんので、初心に戻ったつもりで挑んでみることがカギになりそうです。

転職活動が長引き内定がもらえるのか

自分の希望にあった転職先が見つかるかどうか不安になるのと同じく、転職活動がどれだけ長引くかわからないところも、不安や怖さとして浮き彫りになるケースもあります。

どれだけ時間がかかるかわからない転職活動だからこそ感じる不安や怖さ。わからないからこそ不安になってしまうことに、共感できる人も多いでしょう。

仕事が決まらない期間も長引いてくると、精神面だけではなく、金銭面などの生活面の不安も増えていくでしょう。安心して就職活動ができる蓄えも必要かもしれません。

内定後

就職前の不安と内定後の不安では、どのような変化があるのでしょう。

  • 転職先の人間関係
  • 企業文化や社風に馴染めるか
  • 自身のキャリアや経験が通用するのか
  • 給料アップや昇格ができるか

よくある内定後の不安や怖さの中であげられる、これら4つの問題点を見てみましょう。

転職先の人間関係

新しい環境に身をおくことになるとき、行く先の人間関係に不安を感じるのは当然です。ましてや転職理由が前職の人間関係にまつわる問題があった場合などは、なおのことでしょう。

どこに行ってもいい人もいれば悪い人もいる。そうわかってはいても、できればいい人が多いようにと願う気持ちもよくわかります。

すでにできあがっている新しい場に飛び込んでいくわけですので、馴染めるかどうか不安に感じることもあるでしょう。内定をもらったあとの方が、不安や怖さがリアルになるかもしれませんが、あまり気にしすぎないことが一番です。

企業文化や社風に馴染めるか

人と人との関わりについて悩むこともあれば、内定をもらった会社の社風や、企業がもつ特有の雰囲気や空気感に馴染めるのかと心配になることもあるでしょう。

ある程度は内定を貰う前でも調べればわかることもあります。内定をもらったあとでも、継続して企業の雰囲気や社風についてチェックしておきましょう。

入社前から馴染めないのではと考えすぎると、うまくいくものもうまくいかなくなるかもしれません。内定まで出ている状況ですので、なるようになると流れに身を任せてみることもオススメです。

自身のキャリアや経験が通用するのか

前職で自身のキャリアや資格、積み重ねてきた経験が評価されなかった場合、新しい職場でも同じように評価されないのではと不安になるケースもあります。

評価どころか、使えないと思われてしまいそうで怖いと感じることもあるでしょう。しかし内定まで出ているのであれば、ある程度の評価は得られていると考え、不安になる暇があれば、勉強するなどしてできることを増やしていくことをオススメします。できることが増えれば、自ずと自信もついてくることでしょう。

給料アップや昇格ができるか

給料や昇格については、就職活動中にさまざまな情報収集をするなかで、ある程度のことは理解できていることでしょう。他の不安や怖さと同じく、前職で適切な評価が受けられなかった場合、同じことが繰り返されるのではと考えてしまうのかもしれません。

収入面に納得がいかず、前職から転職したいと考えて就職活動をしたはずなのに、最終的に前職より収入が下がることはないだろうかと思うなど、不安材料はつきません。しかしどれほど考えても、内定後でまだ仕事がはじまっていない状況では、不安解消ができる方法を見つけることは難しいでしょう。

転職の不安を解消、失敗しないためのアドバイス

それでは、これらの不安を解消するためにはどうしたらいいのでしょうか?人事コンサルタントで、株式会社人材研究所 代表の曽和利光さんにアドバイスいただきました。

そもそも条件通りの転職が良い転職とは限らない

活動中の不安1位である「希望する条件(勤務条件、年収など)で転職できるか」は、まず前提として、希望条件に申し分ない求人は、気をつけたほうがいい場合もあります。例えば、給料が転職時だけ高くてその後はあまり上がらなかったり、流動性が高く、長く働けなかったりする企業も多いんです。そういった落とし穴がないか目を向けてください。
年収は交渉すれば基本的に前職の維持か、それ以上になる会社が多いので、内定後は堂々と交渉していいでしょう。ただしポジションについては、いきなり外部から上の役職で入ってくると、既存の社員から反感をかう場合もあるので、会社が転職者のためにあえてポジションを下げて入社させる場合もあります。その後、働きを見て満を持してマネージャーや部長など本来のポジションにしていく。企業のスタンスによりますが、年収も同様のことが言えます。

転職の一つの基準として「Shrink to grow(シュリンク・トゥ・グロー)」(成長のための縮小)という考え方があります。一度沈んで、跳ぶ。成長するためには、いったん地位や給与を下げる、という方法です。
条件を維持したままあまりにも受からないという場合は、自分の市場価値と一般的な価値基準が合っていない可能性があります。あなたの思っているほどの評価が企業から得られなかったのかもしれません。シュリンク・トゥ・グローの考え方を持ってみてもいいかもしれません。

転職を判断するのは年齢ではなく、自分のポジション

活動中の不安 第3位の「この年齢で転職してもよいか」は、年齢よりも今の自分のポジションで転職するかどうか考えたほうがいいでしょう。部長なら部長マーケット、課長は課長マーケット、スペシャリストならスペシャリスト、それぞれのマーケットがあります。そして、あなたが一番売れる時期は、昇進する一歩手前です。なぜなら、市場価値と今の給料との差が一番出るときだからです。社内価値が最大化するときが昇格直前のときなので、まずは自社と他社の情報を調べてみるとよいでしょう。昇進できそうなタイミングで転職活動をしてみて、自社よりもよい企業があれば転職するか検討してみてはいかがでしょうか。

転職活動を短期で終わらせてしまったほうが不安は少ない

五月雨式に活動をしていると、内定をもらっても、本命企業の結果がわかるまで待ってもらえない場合があります。一気に同時並行で行いましょう。3カ月ほどで終わらせることを目標にするといいですね。仕事をしながら転職活動する場合は、短かければ現職業務への負担や経済的不安も少なくて済みます。

また、活動中2位・内定後も3位の「自身の経験やスキルが通用するかどうか」の不安は、例えばビジネス英語はできないのにできると言うなど、誇張して伝えてなければ大丈夫なはずです。もしスキルに自信がない場合は、たくさんの企業に応募して、選考結果とともにその理由のフィードバックをもらいましょう。自分のスキルが通用するのかどうか?企業にどの部分が認められたのかがわかり、自信になります。

20代・30代は、強い意志を持って活動すれば基本は長引きません。40代以上は、募集しているポジションがどんどん少なっていくので、決まる率が低くなります。給料は出せるけれどもポジションがない、という場合も多いようです。条件を削っていかないと、半年、1年など長引く可能性があります。

採用担当が面接のプロとは限らない。不安を感じる必要はない

書類や面接での選考については、それぞれ不安を感じる方も多いようです。しかし、そもそも書類での採用基準については、企業独自のもので極端な場合も多く、通らなくてもいちいち気にしないほうがいいでしょう。ただ、すべての企業で通らない場合は書類を見直す必要があります。面接についても、面接担当者によって変わり、基準があいまいです。面接官も面接のプロではないケースもあるので、落ちたとしても落ち込む必要はまったくありません。

求人検索は「フリーワード」も利用する

「どうやって求人を探せばよいか」は、興味のあるキーワードを「フリーワード検索する」のがオススメです。例えば、ワインが好きな人は「ワイン」、お笑いが好きな人は「お笑い」というように。全然切り口が違う、考えてもみなかった面白い企業に出会えるかもしれません。自分の部屋を見回して、「好き」と感じるものを入れてみましょう。みんなと同じ検索をすると、一点集中して倍率が上がってしまうので、自分軸で探してみることが大切です。企業の視野を広げることで、あなたに合った掘り出し物を見つけることができるかもしれませんよ。

退職は権利。事前に退職の段取りとポイントを押える

転職が決まり、今の会社を辞めるときにスムーズに辞められないのではないかと不安になることもあるようですが、基本的には、退職は法的に認められた権利です。とはいえ、「次の会社が決まりました。さようなら」だけでは、お世話になった会社に「後ろ足で砂をかける」行為にもなりかねません。感謝の意思をしっかりと伝えるためにも、事前に退職までの段取りを確認しておきましょう。

下調べや面接で「入社後ギャップ」は解消しておく

内定後に最も不安に感じたこと第1位の「新しい人間関係や社風に馴染めるか」は 、「直属の上司になる人に会わせてほしい」と伝える、社内の雰囲気をつかむために職場見学をさせてもらうなどしましょう。「こんな上司の元で働きたい」とオーダーを出すのもいいですね。
会社を辞める理由の多くが人間関係です。入社してから悩むよりも、思い切って希望を言ってみることも大切です。

「想定していた職場環境とギャップが生じないか」 については、企業の情報を多方面から取り入れてみましょう。ホームページなどを見るだけでも雰囲気はつかめるはずです。この会社は何をやっていて、競合に対する勝ちパターンや花形部署はどこか、ということがわかります。事業内容や仕事内容をきちんとしていれば、ギャップは起きないはずです。

「入社前にどんな準備をしておけばよいか」は、業界知識はもちろんのこと、その業界で「当たり前」になっているスキルです。例えば、外資系企業の英語やコンサルティング会社のExcelスキル等。「データ分析」までできて当然、という会社もありますしね。
中途入社だと新卒と違い、入ってから周りから丁寧に教えてもらえないので、その会社の基準を事前に確認しておきましょう。気をつけたいのは、入る会社がもう「当たり前の基準」になっている、見えないスキルです。内定後にできる限り確認したり調べたりして、必要なスキルは身につけて準備しておけば安心です。

 

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