大企業からベンチャーへの転職。注意点や成功方法は?

大企業からベンチャーへの転職。注意点や成功方法は?

大企業からベンチャー企業へ転職した人の中で、しばしば見受けられる現象のひとつに、環境の違いに戸惑って自分の力をきちんと発揮できないということがあります。大企業でレベルの高いビジネスを経験したことは財産であり、決して無駄にはならないものです。

ただし、大企業からベンチャーに転職すると、環境や仕事への向き合いかたが大きく変わります。そこで、最初にマインドを切り替える必要があります。ここで挙げるいくつかのポイントを踏まえて心構えをしておけば、ベンチャーでも大きく活躍できる可能性があります。

ベンチャー企業への転職に不安がある方

結論、ベンチャー企業への転職はある程度のリスクはありますが
注意点をしっかり意識できていれば、問題はありません。

ベンチャー企業への転職に懸念のある人には

  1. 倒産のリスクが高そう
  2. 労働時間が長くて、仕事がハードそう
  3. 大手企業との文化の違いが大きくて大変そう
  4. 実力主義の評価制度についていけるか不安
  5. 給料が低くなりそう
  6. 「社長の言う事は絶対」のワンマン経営なのでは?

などの不安や疑問があるのではないかと思います。

これらの問題は、これから解説する注意点を意識する事が出来れば、解決することが出来ます!

また、ベンチャー企業にマッチする人材は仕事に対する積極性や、やりきる力です。この適性を持った方で、なおかつ20代などの若い人材であればベンチャー企業への転職は比較的成功しやすいです。

そのため、早めの転職活動がオススメです。

ベンチャー企業への転職の注意点

ベンチャー企業への転職の懸念を払拭する為には以下の注意事項があります。

1.勝手なイメージからのミスマッチ

まず、「ベンチャー」の定義を明確にしましょう。

実はベンチャー企業の定義は、明確に定義はされていません。そのため、人それぞれイメージや定義が違います。

その会社で働いている「人数」なのか、「規模」なのか、「フェーズ」なのか、「風土」なのか、今回の転職で大切にしたい定義を決めましょう。

おそらくこの記事を読んでいる方は、少なからずベンチャー企業への転職に興味があるはずです。

この定義が曖昧なまま転職活動をしてしまうと入社後のミスマッチが起り、短期離職になる可能性があります。

多くの方とお会いする中で、「ベンチャーに転職したいです!」という方のイメージされる企業は「ベンチャー風土のある企業」(サイバーエージェント)(リクルート)など知名度があり、ITやWEB事業を展開している企業が多い印象です。メガベンチャーと呼ぶこともあります。

これらの企業はマインドこそベンチャー特有のモノが残っていますが、規模や体制に関しては大企業と大きく変わりません。

意思決定のスピードや風通しの良さ以外に、経営者との距離の近さを大切にしたい場合や、文化や制度設計に携わりたい場合は「会社の人数や規模」を基準にすると良いでしょう。

2.ベンチャー企業は10年での生存率が5%!

これはベンチャー企業へ転職を考える方の多くが懸念される問題だと思います。

結論、倒産リスクは十分あります。
新しいベンチャー企業は次々と誕生していますが、倒産を含めた企業生存率としては、1年で40%、10年後はわずか5%程度といわれています。

ただ、 ベンチャー企業で勤めあげた経験というのは、転職市場での評価が高いので、他の転職先を探すことも難しくないと思います。

大事なのはそのような倒産リスクを覚悟で、事業の可能性に賭けて同じ船に乗ることができるかです。

この懸念を払拭できるようであれば、転職しても問題がないでしょう。

3.希望の仕事ができないことも!?

「会社の方向性や社風が自分には合わなかった」

といった理由でベンチャー企業への転職を後悔する事例が多々あります。

ベンチャー企業では経営者のマインド等がかなり強く反映されており、社風にも大きく影響します。

大企業と違って社員と経営者との距離も近いので、経営者の考えと自分の考えが合わないと働く上では致命的です。

よく認識しておくべきなのは、ベンチャー企業に入ったからといって、必ずしも自分の理想の環境で思い通りの仕事ができるとは限らないということです。

そのため、ベンチャー企業へ転職することを変に期待してしまうとミスマッチに繋がります。

ご自身で情報収集をされても良いかと思いますが、実際企業がどんな環境でどんな雰囲気なのか、判断するのは難しいので、転職エージェントに相談することをオススメ致します。

 

4.転職後の年収の変化

気になる年収ですが、残念ながらベンチャーへの転職で年収がアップする保証はありません。

ベンチャー企業への転職では、一般社員としてのスタートがほとんどであることに加え、報酬相応の結果を残すことができないと減給や解雇になりやすい環境です。

ベンチャー企業の年収は、大企業以上に結果に比例していきます。

小さい会社からスタートし、上場に成功してIPOによる多額の利益を手にする社員もいますが、ごく一部の企業に限られています。

企業を動かす立場かどうかによっても収入が大きく変わりますが、専門的な能力がある場合は年収が上がることもあります。

企業の成長度合いに応じて年収は上がるため、逆にチャンスと捉えて転職する成長意欲の高い方が多いのも事実ですが、年収や待遇面のみで転職を考えている場合は、ベンチャー企業への転職はオススメしません。

“ベンチャーに降りていく”という意識を捨てる

大企業からベンチャーに転職をするとなると、上位から下位の場所に“下りていく”という感覚を持つ人も多いようです。しかし、ここでも忘れてほしくないのは、今ベンチャーにいるのは、先にも述べた通り、世界有数のコンサルティングファームやIT企業で最前線に立っていたような人たちだということ。その入社難易度もさることながら、下がるどころか、顎を上げてついていかないと追いつけないケースがたくさんあるのです。

これは年収についても同様の勘違いがあります。昔のように、大企業からベンチャーに行くと給与が下がるという状況はすでにだいぶ変わってきています。むしろ給与テーブルが硬直化していない分、ベンチャーのほうがフレキシブルに年収を提示できるケースも増えてきています。

ただし、年収が上がるか下がるかは、あくまでもあなたの仕事の能力との合致度によります。あなたの仕事の価値や貢献期待に対してより正しい額が払われるものだと捉えておいたほうがいいでしょう。

年下?関係ない

ベンチャー企業では、同じチームの仲間として、年齢やこれまでの役職、経験などをすべて取り払ったうえで、“人”として対峙することが必要です。「何年入社」、「○○世代」といった概念はすでに存在しない世界です。年功序列の考え方は完全にリセットしましょう。

年代に関わらず、仕事の能力も人間性も驚くほど高い人材が多くいます。その中で、人間同士として有機的な関係を築いていくことが非常に大切です。仮に自分と異なる世代の人材が多くいたとしても、うまく組んでビジネスを推進していきましょう。そのためには、あなたも「年下だから」「年上だから」という無意味なところにこだわらず、全力を出し切ることです。

ベンチャー企業で働くメリットは?

ここまで、ベンチャー企業の厳しい面を紹介してきましたが、もちろんメリットも存在します。

以下でその詳細を見ていきましょう。

1.成長機会が多い

大手企業であれば、管理職になれるのは30代を過ぎてからの方が圧倒的に多いです。

業界職種によっては昇進が遅い場合もありますが、ベンチャー企業の場合には、入社2年目から数十名の部下を率いて仕事をすることも珍しくありません。

そのため、ベンチャー企業のほうがマネジメント経験を早く経験できる機会が多い傾向にあります。
ベンチャー企業に転職した後、若くして役員や子会社の社長になられた方も多くいます。

厳しい環境ではありますが、圧倒的に成長をしたいのであれば、おすすめできる環境です。

2.経営者と距離が近い中で仕事ができる

先ほどこの点はリスクとして紹介しましたが、環境次第では大きなメリットとなると言えます。

大手企業から転職される方の多くに当てはまるかと思いますが、社長と仕事の話をしたことがなかったり、中には顔を見たことすらない人も居るのではないでしょうか。

比較的ベンチャー企業では、社長のそばで働ける傾向にあります。
同じフロアであったり、場合によってはすぐそばで働くこともあります。

経営者のそばで働くことによって、自分がやってみたい仕事の提案など、直談判できる環境があるため、自発的な志向性がある人にとっては、メリットの1つといえます。

そのため起業や事業家を視野に入れているのであれば、ベンチャー企業という環境は非常に良い環境といえます。

3.意思決定が圧倒的に早い

実施したい施策や制度の提案をしたり、システム導入を実施したりする場合、許可が下りるまでに必要以上に長い時間が掛かった経験はありませんか?

変革を歓迎する傾向が強いベンチャー企業では、意思決定のスピードが圧倒的に早いことが特徴なので、自分がやりたいと思った施策をかなりのスピード感で実現できます。

また、自ら手を挙げれば仕組みや制度も作ることができます。

より働きやすい環境を作ることもできます。

4. 同じ志向を持った人と働ける

会社の社風や方向性には経営者の思考が色濃く反映されていることがほとんどですが、その社風や思考を魅力的と考える人たちが集まっているとも言えます。

そのため、社内メンバーの志向性は似たようなものとなるので同じ志を持った人と1つの目標に向かって仕事がしたいと考えている人にとっては良い環境だと言えます。

経営者のマインドによって、同じベンチャー企業とはいえど、社風は大きく変わってきます。しかし、企業や経営者のマインドは表向きの情報だけでは判断出来ないことがほとんでです。
そこでのミスマッチを防ぎたい方は、弊社のようにベンチャー企業と直接コネクションを持っている転職エージェントを利用して頂く事が良いかと思います。

ベンチャー企業への転職を成功させるコツ

ベンチャー企業への転職に適性のある方の特徴を説明しました。
次は、実際に成功させる為のコツを紹介します。

1. 自身のキャリアプランが明確にする

これは非常に重要です。
ベンチャー企業で圧倒的な成果を出している方は、キャリアプランによって働く目的が明確になっている方が多いです。

会社に頼るような行動精神では、ベンチャー企業では上手くいきません。

実際にベンチャー企業へ転職して成果を上げた人には、その後退職して、自分で起業をしたり、また別のベンチャー企業へ転職していく人も多くいます。

いずれにしてもベンチャー企業で本当に成功するのは、将来的な視点で自身のキャリアプランを描けている人だといえます。

3. 働いているところを具体的にイメージする

選考の時に、働いているところをイメージ出来ている会社には受かり易いです。

ベンチャー企業ではメンバーが一体となって同じ目標を達成するためにまだ世にない事業を展開していくことになるので、事業に対して具体的なビジョンが描けているかが大切になってきます。

もしこの部分が曖昧だと、「転職後のミスマッチが原因で早期退職してしまうのでは?」と判断され、落とされてしまう可能性が高いです。

4. ベンチャー企業を自分の目で見極める

リスクの部分でお伝えしたように、ベンチャー企業の生存率は高くないため自身の目で見極めて転職することが重要です。

ここでは生存率が高い企業を判断するための基準をいくつかお教えします。

  1. 採用に力を入れている企業かどうか
  2. 他社と明確に差別化されたビジネスモデルがある
  3. 経営者自身に魅力がかなりある

まず、採用に力を入れている企業は伸びていく可能性が高いです。

特に新卒採用よりも中途採用に力を入れている企業であればある程度利益があり、事業を伸ばせる方向に進んでいると捉えることができます。

なぜなら中途採用の方が人材採用に費用がかかるからです。

さらに、他の大手企業が真似できない何かを持っているベンチャー企業は伸びていきます。

会社の強みが何なのかを考えてみて、それが明確にはわからないようなベンチャー企業への転職はあまりオススメできません。